コンクリートの質も見てみよう。コンクリート自体をひび割れに強くする工夫が行われているともっとよい。
コンクリートをつくるときに、水の量(水セメント比)を少なくするのである。
水セメント比が高いと、乾燥によるひび割れが起きやすいからだ。
かつては工事現場でコンクリートを打つときは、バケットに汲んで入れていたが、現在はポンプで流す方法が大半である。
いきおいコンクリートを流れやすくするために、水量を増やしてしまいがちだ。
これでは強度も低下する。
そこで水量が少なくても流れやすくする減水剤を混入するなどの方法がとられるケースもある。
また、コンクリートを打つ際に鉄筋が曲かってはみ出すなどの乱れがないかどうか、打ち込み後の養生に十分な期間が取られているかどうかなども、鉄筋コンクリートの寿命を決める。
こうなると個人がチェックするのは難しくなり、それだけに分譲会社や施工会社の過去の実績、最近の企業姿勢、さらに修繕計画などに目を向ける必要が増してくるのである。
コンクリートは、セメントと水、それから砂や砂利などの骨材を混ぜてつくられる。
このとき許容量を超える塩分などの不純物が紛れ込むと大変だ。
ある程度以上の塩分などが入ると、コンクリートが中性化しなくても鉄筋が腐食してしまうのである。
今の段階では劣化に任せるほかないというのが実情だ。
かつては塩分などが混ざっていない山砂や川砂利が国内に豊富にあったので問題はなかった。
ところが、建設ラッシュによる資源の枯渇で、未洗浄の海砂や岩石を砕いてつくった砕石・砕砂を使用するケ一スがあり、社会問題になったこともある。
そこで現在では、海砂を使うときは塩分を洗い流したうえで使用することになっている。
また、コンクリート全体に含まれている塩分の量を測定して基準から外れる場合は使用しではならないなどの対策がとられている。
JIS表示許可工場でつくられたコンクリートはこうした審査基準をクリアしているのでまずは安心といえるだろう。
半永久的な寿命を持つ共同財産と考えよう鉄筋が数本サビても耐力は変わらない総合的に見た場合、鉄筋コンクリート造のマンションは、何年くらい堅牢さを保ち続けるものなのだろうか。
実のところこのあたりは、専門家のあいたでも異論が多く、明確な結論は出ていない。
コンクリートが中性化したといっても即座に鉄筋がサビ始めるとは限らないし、鉄筋は無数に使われているのでその一部がサビたぐらいで、直ちに地震や風雨などに対する耐力が低下することはない。
使われているすべての鉄筋のうち、半分以上がサビた段階で寿命に達したという見方をする専門家もいるほどだ。
こうなると100年や200年、あるいは300年経っても寿命が尽きたとはいいにくい。
つまり、鉄筋コンクリートの劣化の速度も、不確定要素が多くて判断しづらいうえに、どの段階で「寿命が尽きた」とするかも議論の的になっているのである。
しかもややこしいことに最近はリフレッシュ工事を行って腐食した部分を修復するとともに、中性化したコンクリートをアルカリ性に戻すことが可能になっている。
物理的な耐久性という面だけを取り上げるなら、メンテナンス次第で「半永久的な寿命を持っている」といえなくもないのである。
どの段階を「寿命が尽きた」と見るか居住者の立場から鉄筋コンクリートの寿命を考えると、こんなふうにいえるだろう。
鉄筋がサビ始めると先に述べたようにコンクリートが剥落するおそれがある。
そうなるといつコンクリートの固まりが上から落ちてこないとも限らないので、居住者は安心して暮らせない。
浸水による雨漏りも心配だ。
これらは補修工事などを行えば防げるが、それにも限度がある。
限度には物理的なこともあるが、「費用対効果」といった経済的な側面から見るのが常識的だろう。
多額の工事費用をかけて大規模な修繕を行っても、その費用に見合うだけの効果が期待できなくなったときを限度といっていいだろう。
家電製品などの寿命を考えると分かりやすい。
たとえば洗濯機は、修理を繰り返せば半永久的に寿命を伸ばすことが可能だ。
スイッチが傷んだり、ランプがつかなくなったなど軽微な故障であれば、修理費用をさほどかけなくても元の状態に回復できる。
けれどもモーターが磨滅して取り換える必要が生じたり、タンクに穴が開いてしまったなど重症のときは、取り換えるよりも洗濯機そのものを新品に買い換えたほうが先行きを考えると経済的といえる。
総合すると40年〜50年がひとつの目安過去に建てられたマンションを追跡調査した研究資料などを参考にして、総合的に判断すると、現時点では40年〜50年がひとつの節目という見方ができる。
ただ、せいぜい10万円単位の家電製品と、1000万円単位のマンションを単純に比較するわけにはいかない。
仮に建て替えたほうが経済的に有利なときが訪れても、居住者の足並みの乱れで円滑に進まない事例が多数ある。
やはり欧米のマンション居住者のように、「マンションは半永久的な寿命を持つ居住者全員の共同財産」という観点で、普段の点検・修理、長期的な視点に立った修繕を考えていく必要があるのだ。
それによって新築時の性能を長く保つことができ、場合によっては性能向上を図ることも可能になるのである。
外壁仕上げの違いでどこか変わる?(旬吹きつけタイルかタイル張りかマンションの外壁の仕上げ方は大きくふたつに分類できる。
ひとつが「タイル張り仕上げ」、もうひとつが「吹きつけタイル仕上げ」である。
これがコンクリート打ち放しや吹きつけリシン仕上げ、吹きつけスタッコ仕上げ、モルタル塗り、石・擬石張り、金属板張りなどがあるが、主流は冒頭のふたつといえるだろう。
これらは鉄筋コンクリートの保護膜という役割も担っているが、多分に装飾的な面がある。
数多く供給されるマンションのなかで購入者から「これだ!」と目を引くために、仕上げ方法が選ばれる傾向が強い。
建築コストの面で比較すると吹きつけタイルよりもタイル張りのほうが高くつく。
また、同じタイル張りでもタイルの大きさや張り方によってコストや耐久性に差が出てくる。
通常の場合は「45二丁」といわれるタイルが張られている。
それが横に2倍広い「二丁掛け」になると、コストはその1.5倍ほどに。
表面が平板ではなく山形になっているものや、割り肌といって素材感のあるものは、もっと高くなる。
メンテナンスコストはさほど変わらない耐久性という面から見るとコストをかけて豪華なタイルを張っているから丈夫ということは、どうもなさそうだ。
どちらも、コンクリートが直接風に晒されるのを防いでいるのに変わりがないからである。
ただ、長期修繕にかかる修繕費用では、若干違ってくる。
財マンション管理センターがまとめている長期修繕計画のモデルによると、外壁の補修を行うサイクルは9年〜15年に一度としている。
このとき吹きつけタイルでは改めて吹きつけ塗装を行う必要があるが、タイル張りでは洗浄程度で済む場合が多い。
それだけタイル張りのほうが補修費用が少なくなるのである。
ただ、20年、30年という長期で見るとタイル張りは剥がれが出たり、汚れが取れなくなったり、場合によってはひび割れが生じたりするケースがあるので、いずれは全面的に張り替える必要性に迫られることが考えられるのである。
給排水管はマンションの血管水質の悪化が配管の劣化を早める建物がいくら堅固でも、なかを通っている給水管や排水管が傷んでしまったのでは、とでも住めたものではない。
年月を経ても腐食しにくい材質の配管が使われているのが基本だが、それでもいずれは劣化してしまう。
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